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最近の高級車はレザーシートが標準装備である。
特に輸入車に限って言えば、高級車でなくても、本革シートが普通に装備されている。
本皮シートが大安売りな今日この頃であるが、果たしてそれが高級の証であるかと言うと甚だ疑問である。
そもそもコーチビルダー隆盛期には、レザーシートなど耐久性に優れていることから、運転席(職業的運転手の専用席)に採用されるだけで、VIP席である後席は良質なファブリックを使用していた。
かの昔はファブリックシートこそ、高級な証であった。 しかしながら、いつの間にか本皮が高級品として重宝されるようになってしまった。 それは英国車の影響だと思う。
それでも80年代あたりまでは、高級なファブリックが自動車用シートとして用いられていたのである。
今日は布製シートの復権を祈願して、私のお気に入りなファブリックシートを紹介したいと思う。

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こちらは、ランチア・ガンマのシート。 良質なブルーのファブリックにランチアの頭文字Lをあしらったシートは、いかにもランチアらしい上品な印象。 個人的には一番のお気に入りなファブリック素材なシートである。

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これはランチア・トレビのエルメネジルド・ゼニア製シート。 ゼニアとランチアはその他にテーマやプリズマともコラボしていました。

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こちらのシートはランチア・テーマ2.0ieのもの。 ランチアのフラッグシップにも拘わらず、格子柄のファブリックを用いています。 スーツの柄でも通用するような渋い生地ですね。

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もう一つランチアです。 こちらはデルタ16Vの内装で、ミッソーニの生地を使っています。 今見るとオールアルカンタラのシートより味があります。

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こちらもミッソーニの生地を採用したマセラティ・ビトルボ。 ラリーウェポンなデルタより妖艶なビトルボの方がミッソーニを着こなしています。

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先代フィアット・パンダの内装もなかなかのセンスである。 基本的には格子柄がスタンダード。 質感よりセンス勝負のクルマですね。

こう見るとイタ車、特にランチアの内装が個人的にはお気に入り。 このあたりはランチアの独壇場でしょう。
でも日本車にもかつて個性的なクルマがありました。
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プリンス・グロリアの西陣織シートです。 これぞ和の真髄。 今から45年前に、こんなジャパンオリジナルなシートがあったとは驚きです。 
でも西陣織では肌触りがゴワゴワしているような気がするのだが・・・・・・・・・・・・・実際はどうなのでしょう?

本皮も素晴らしいですが、他との差別化を図るのならファブリックシートだと思う。
出来ればミッドセンチュリー期の巨匠アレキサンダー・ジラルドのテキスタイルを用いたシートなど出現したらカッコイイのだけれど。


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